歴史背景 イスラムからヨーロッパへ、そして日本へ
13世紀、北アフリカやスペインを本拠地とするアラブ人が、ヨーロッパ内で勢力拡大のため、攻撃し侵略して、人々を恐怖に陥れていました。
しかしながら、この襲撃が残したのは悪い影ばかりではなかったのです。実際、アラブ人たちは大陸に化学や建築学、数学、天文学の分野で新技術や優れた知識を持ち込みました。そのひとつに製陶技法がありました。
ヨーロッパ大陸沿岸部の街では、このアラブ人特有の製陶技法の介入により、元来の陶芸文化に影響を受けたのです。
アラブ人が持ち込んだ製陶技法とは:
"乾燥した紐"という意味の"クエルダセカ"という技法で、オイルで湿らせた紐で絵柄の縁取りをして、内部を色釉で塗りつぶして焼成したものです。紐は燃えてしまうため、縁取り線が色釉の部分よりも凹んだ状態で残る仕組みでした。